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NobleAudioの完全ワイヤレスイヤホンFALCONはフラッグシップを音を持って産まれた?

「NobleAudioがワイヤレスイヤホンを発売する。」 これだけでイヤホンファン、オーオタ諸氏はドキっとしたことでしょう。 超高性能イヤホンメーカーが自社ハイエンドモデルの帯域バランスを元にワイヤレスイヤホンを本気で作ったようです。 このFALCON。結論を言うと過去所有していたワイヤレスイヤホン、ワイヤレスレシーバーを超える最高の出来、どちらが良いという感想にならないほどに 「NobleAudioが作ったNobleAudioのサウンドシグネチャを持ったワイヤレスイヤホン」 でした。 正直、同社初めてのワイヤレス、しかも完全ワイヤレス(英語圏だとTruelyWirelessと言ったりするらしい)こんなにNobleAudioの音になるとは思っていませんでした。 一言で言えば同社のフラッグシップモデル、KHANに非常によく似たバランスに元気さ・明るさを足したような音です。

【音楽】色々な音楽データの周波数を可視化してみた

ハイレゾ音源が巷で賑わうようになってきました。

元々ハイレゾ音源自体は販売されていて、従来はクラシックやジャズなど音楽愛好家が好むジャンルがメインでした。

ところが昨今、アニメやゲーム、J-Pop、Rock、など様々なジャンルが販売されるようになりました。

非常に敷居が高く、参入障壁が高いと思われていたオーディオ趣味ですが、これを機会に少しずつでも変わっていってくれると嬉しいですね。

さて。

今回は、ハイレゾのデータって本当にハイレゾなのか、ハイレゾではないデータは本当にハイレゾではないのか、そのあたりを音質とか聴いた感じという部分を極力減らして、データを可視化した図で確認してみたいと思います。

かなり個人的な考察が混じり込む内容です。


今回の解析に際して音楽データをそのままスペアナソフトで解析しました。

ソフトはSpekを使っています。

Spek – Acoustic Spectrum Analyser




PCMの解説については以前少しだけ触れています。



1.ハイレゾで配信されたとあるサントラの周波数解析

まずはこの2つの周波数解析を見てみます。

両方ともデータとしてはハイレゾ音源です。

なんの曲かは書きませんが、画像を見るとなんとなく想像できると思います。



CDで扱う 16 bit 44.1 kHz でも 22.05 kHzの周波数まで記録出来ます。

両データともに、大体そのあたりで境目ができています。

が、それ以降全く音がないわけでは無さそうで微弱ではありますが 60 kHz あたりまで出ています。

20 kHz 以上は、出方が一定なので空間的なノイズかもしれませんが、 1 の方では曲のピーク時に連動して動いている状態も見えます。

規格上 22.0 kHz しか出せないCDよりも余裕があるためバッサリ切られていることは無さそうです。

それはそうと 30 kHz付近の直線上にある線が気になりますね。
この音源を作業している付近に、この周波数帯に干渉する何かがあったのでしょうか。


さて、次も同じアルバムの曲です。


最初の2曲と同じようにリマスタされているようですが、マスター音源はアナログ録音だそうで、アナログからデジタルへのリマスタという事になります。

アルバム自体はサウンドトラックで、1 〜 2 曲目は OP と ED のテーマ、それ以降はサウンドトラックなので恐らく違う録音だと思うのですが、最初の 2 曲よりも音の出ているところ出ていないところがはっきりしています。

この2曲は作品中の BGM として使われる曲です。
曲の利用用途がシーンやキャラを盛り上げるものなので音圧ガチガチではないですね。



スペアナでみるとやはり 30 kHz あたりの線は気になります。このアルバムは全体を通して大体この線が見えます。



抜粋して更に2曲分を解析してみましたが、やはり30 kHzあたりに一直線が見えますね。
データ自体はやはり 20 kHz 以上でも出ているようですが、192 kHzを使いきれているかどうかというと半分も使っていないという結果が見えます。




2.とあるハイレゾデータの周波数解析

解析対象として、2Lというレーベルがサンプルとして配信しているハイレゾ音源をいくつか解析してみました。




30 kHz 付近まで綺麗に伸びているものもあれば、 70 kHz より上でなにか雲のようなデータが群がっているものもあれば、10 kHz 以下の物もありますね。

10 kHz 以下のデータだから音がノイジーか?というとそんなこともないです。

上の周波数で雲のように広がっているのはその他のデータでも確認できているものがあって、クラシックの録音で見かけるものが多いです。

これは X3 に収録されていたサンプル音源です。やはり上の方に空のような周波数があります。
しかも結構な量なのです。

3.とあるCD音源の周波数解析

ここまではハイレゾ音源のデータを見てきました。
ここでは普通のCD音源のデータを見てみようと思います。

曲名は画像を見てもらうとよいと思います。とあるSoulの名曲ですね。


CDが表現できる限界の周波数、 22 kHz から上はバッサリとなくなっていますが、板チョコのように横一直線で全域の周波数がゴリゴリ出されている感じはないですね。

縦に模様ができているのは有る楽器の倍音成分が等間隔で出ているようです。
ブラス系の楽器でハイトーンがなるイントロのあたりだと思います。


次は、ある有名ゲームのサウンドトラックです。
オーケストラの演奏で有名なゲームの戦闘曲です。


CDの表現できる周波数をギリギリまで使っているけども無理して使っていない感じでしょうか。
ちなみに音圧は他のCDに比べると低く、実際に聴くときも他に比べてボリュームを上げて聴いています。

均された音圧ではなく、メリハリがあって小さい音、大きい音の差がはっきりと出るため、曲の盛り上がりと静かな部分で音量差もあり、できれば静かなところで聴いたほうが耳には優しそうです。


次は変わり種です。
とあるファミコンのゲーム音源です。いわゆるピコピコなサウンドです。

ポリアンナとかいい曲ですよね。ホント。


意外に綺麗で驚きました。波形をそのまま音に出しているのでその周期の倍音とか綺麗に出ています。

最後は、割と最近なゲームのサウンドトラックです。
ゲーム自体は難しくてやっている最中はそこまで集中して聴けてないのですが、耳に残る曲が多くてゆっくり聴いて見たかったので、某ポイントと引き換えに非売品をGetしていました。


このゲームの主題となる曲で、オーケストラが演奏している非常に元気な曲です。
無理やり 22 kHz まで上げている感じもなく、静は静、動は動、で見えます。


4.ハイレゾデータは必要なのか

先日、X3というプレイヤーを買いましたが、このプレイヤー自体は 20 kHz の音までを再生します。
つまり、CD音源の 22 kHzの音すべてを再生出来てないことになります。

この再生周波数は PCM として見た場合、1つの要素しか表していません。しかも、とても目に見やすいものです。
この音楽はどの周波数帯域を持っているのか、どういう音が鳴っているのか。

これが今回ネタにした周波数の解析グラフでした。


PCM にはもうひとつの要素があります。

音の解像度を表すビット深度です。

現在の一般的な音楽データ、再生環境では 16 bit が主流です。
ハイレゾと呼ばれるデータは見たことが有る範囲でしかありませんが、24 bit 以上が主流のようです。

65,536 階調と 16,777,216 階調の違いはこうしたグラフでは表現しにくく、周波数のような目に見えやすい単位でもないため、注目されにくいでしょう。

でも、聴こえる範囲の情報量を考えると、高いサンプリング周波数よりも、聴こえる音が細かく表現される方が、最も違いを感じられるのではないかな、と考えています。


今後は、各社が音楽を配信するにあたり、リマスターをしてくることも多くなるでしょう。

当然古いデータは最新の機材や技術で更に高音質化してくると思います。

何十年も前の懐かしい楽曲が最新の技術で高音質に生まれ変わるのは非常に素晴らしいことです。

いいぞどんどんやれ
と思うわけです。

が、市販されているCDなのに、音量の限界値を超えまくって音がバリバリと割れている粗末な製品があるのも事実です。

それらをハイレゾデータとして配信するに際し、「マスタリング前」「レコーディング品質」といった銘を打って、バグフィックスしてくるのは過去発売した製品が不良であることを暗に認めていることだと考えています。

そのCD製品を買ったファンへの冒涜であるとも考えています。


アップサンプリングについてはひと括りにしてニセモノとは言い難いところがあります。

例えば、CD音源にしかならないもの、CD音源しか無いものでも新しい技術で更に高音質化を狙うこともあるでしょう。

が、反面、CD音源でしか無いものを数字上のハイレゾにしてしまうことも可能です。

今回、このネタはそういう部分を考える意味で実験してみましたが、やはりサンプリング周波数のみが見えてしまって、ビット深度についてはわかりにくい結果になってしまいました。

また面白そうなネタができれば引き続き検証してみたいと思います。

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