今年の夏って短かったですね。気づいたら鍋が楽しくなる時期になってきました。
寒くなったのでそろそろ
みみあてヘッドホンの準備に入ります。
ここでも大活躍なポタアンHA-2のご紹介!
HA-2ってなに?
米OPPO Disigal社が開発し、OPPO Digital Japan社が販売する、同社初のポータブルヘッドホンアンプです。
2015年5月発売でしたが各販売店で品薄が続くという異例の大ヒットでした。
小型な本体上で十分に作りこまれたアンプ、現在デジタルで提供されている音楽データいわゆるハイレゾ音源データのほぼすべて(
※1)が再生できるDAC(PC用USBサウンドカード)としても利用できる汎用さに加え、本体は非常に薄くエッジの研磨や革張りでスタイリッシュさも兼ね備えています。
※1 PCMとしては32bit/328kHzまで。DSDとしてはNativeで11.2MHz、DoPで5.6MHzまで。
ポタアンてなに?なぜ必要なの?
ポータブルヘッドホンアンプ、略してポタアンです。アンプ(増幅器)なので
信号を増幅する機械です。
電気的に信号を増幅しますが、この時通る回路の設計や半導体の質によって音が変わることが往々にしてあります。
これがアンプの個性にもなり、この変化が楽しいということで
複数のアンプを聴き比べたりする神々の遊びというジャンルもあります。
デジタル音源には信号的に最大値が存在します。これを超えて信号を大きくすることはできません。
が、年々ヘッドホンやイヤホン(特にイヤホンが顕著です)がどんどん高性能化しています。これに伴いたくさんのスピーカーを搭載したり大きなスピーカーを搭載するものも発売されました。
このため、これらの多量なスピーカーや巨大なスピーカーを動かすために、不足する電気を補うこういった外部のアンプが必要になってきます。
OPPO Digital社ってなに?
もともと、OPPO Disital社は Bluray Disk や DVD Disk など「ほぼ現存する光学メディアを再生するプレイヤー」を発売していました。
先代 BDP-95 や BDP-105 といったユニバーサルメディアプレイヤーが映像機器としての性能が高く評価されました。それに加えて同機器は音楽面での再生能力が非常に高いということもあり、BDPシリーズのノウハウをベースに据え置きタイプのアンプ HA-1 が発売され、その HA-1 の次期作として、据え置き型で培った音楽用ヘッドホンアンプの技術を小型化して HA-2 が発売されました。
今世界中ではスマートフォンが普及し、ネットワークやサービスも確立されてきました。
ユーザーの利用形態としてはポータブルで良い音を聴きたいというニーズもに答えたかのような製品です。
OPPO Digital社のブランドや歴史についてはこちらでインタビューされています。
「ポータブル最高峰の音を目指した」- OPPOプロダクトマネージャーに聞く「PM-3」「HA-2」
http://www.phileweb.com/interview/article/201504/02/271.html
使い方は?
HA-2 は単体だと 3000mAh の薄型モバイルバッテリーにしかなりません。
基本的な接続方法は
- iOS デバイスのデジタル出力と接続する(付属ケーブルで可能)
- Android デバイスのUSB出力と接続する(付属のケーブルで可能)
- パソコンのUSB出力と接続する(付属の充電用ケーブルで可能)
- スマートフォンやオーディオプレイヤーの出力と接続する(別途アナログケーブルが必要)
の4種類で、それぞれ底面の入力選択用のスイッチで切り替えます。
iOS は A、
Android と パソコン は B、
アナログ接続は C
と覚えて良さそうです。
バッテリーはアナログ接続なら10時間超え、USB接続なら6時間超えが日々使っている状態の感じです。
バッテリー量が多いのでさすがに長時間使えます。
日本語のマニュアルも公開されています。
http://www.oppodigital.jp/support/manual/
ハードウェアについて
ちょっと深めの話に入っていきます。
公式のムービーをみるとものすごい狭い範囲に敷き詰めて面実装されています。
正直もう少しバッテリー分が多いんじゃ?と思いましたが海外の分解レポートなどを見てもあのままでした。
DAC
多ch DAC の代表格である ESS Technology社製 ES9018S の 2ch モバイルチューンされた ES9018K2M が使用されています。
アンプ
AB級アンプでICとディスクリート部品のトランジスタで構成されています。
AB級なのでほんのりあたたかくなります。
GND分離 4極端子対応の出力
左右それぞれで回路を分け、右専用回路、左専用回路とすることでマイナス側(GND側)を分けています。
もちろん通常のGND共通の3極端子でも問題なく利用できます。
電気的な特性上、GNDを共有することで悪化するクロストーク(左の音が僅かに右に漏れ、右の音が僅かに左に漏れる現象)が改善され、左右の明瞭化などのメリットがあります。
個人的には大ヒットな機能です。
ボリュームとバスブースト
内部では精密なポテンショメータとDACが持つ32bitデジタルボリュームの2つによって精密にコントロールされます。
つまりボリュームが2つあって、用途によって使い分けることができます。
この時、音源自体はデジタルで再処理されることはないそうです。
デジタルボリュームとアナログボリュームの使い分け例
アンプ側のボリュームを固定にして、スマートウォッチ側でスマートフォンと連携すると、ボリュームをスマートウォッチ側で調整できるようになります。
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ここを... |
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こうする |
いちいちバッグや本体のあるところに手を入れたりしなくても腕時計からチョイチョイといじれるのは便利です。
Androidでは USB Audio Player pro で利用できます。
バスブーストはアナログ回路で
低音を増強するバスブーストはデジタル処理ではなく、完全なアナログ回路を通して行われています。そのためデジタル上の再演算で波形が潰れるなどの心配もなく、増幅されるようです。
ライン出力
デジタル接続時にのみ、ライン端子がライン出力になります。
この出力を使ってその他のアンプや機器と接続が可能です。
つまりポータブル3段(スマートフォン + HA-2 + 別なアンプ)が可能です。
ここれは
神々の遊びを推奨しているということでしょう(?
例は PC + HA-2 + ヘッドホンアンプ(Phonoka+) です。
やる意味?必要だからではない「できるからやる」のだ。
音質はいいの?
電源on時、ゲイン変更時にはポップノイズもなく、フェードインさせて行くなど非常に細かいところ行き届いてよく造り込まれている感じです。
音質としては柔らかくフラットでデジタルっぽくない音質です。
硬く、明瞭で、解像度の良い音が好みの場合、低音過多と判断されるかと思います。
ポータブル用途としてみた場合、低音の量感は必要でここが薄いと外来ノイズに邪魔されてしまいます。
聴いている音楽のリズムキープを考えるとある程度の量感は必要でしょう。HA-2 としては絶妙なあたりに落としてきたと思います。
ウォームではあるけれどしっかりした分離感はある、が鋭い明瞭さではない、と言った感じでしょうか。
バスブーストは不自然な盛り上がりかたもなく、沈み込んだ低音が出ます。
一度聴いていた曲の途中からバスブーストを通し、最後付近に戻した場合薄く聴こえてしまうのでそこまで不自然な感じをしていないようです。
ちょっと外野がガヤガヤ(笑うところです)しているところではボリュームを上げることなく多少ノイズアイソレーションできそうな感じです。
最近は持ち歩いていることが多く、出先や職場のPCとつなげて使っています。
もちろん、
予備バッテリーとして活躍してもらったこともあります。
自宅では主に借り物の GeekPulse ですが、普段の設置場所以外で音楽を聴くには非常に便利な外部サウンドカードにもなります。
当然据え置きのような電力も実装する基盤面も取れないため数々の不利な面は多くあります。
分解能や量は多くないのに沈み込み伸びる低音といった部分は流石据え置き機には叶いません。
が、据え置き機、ポータブル機と分けて使わない方にとっても満足の行く音を鳴らしてくれるでしょう。
- PC の横に並べても場所は取らない
- 薄型モバイルバッテリーにもなる
- 日々のストレスフルな通勤で少しでもいい音楽を聴きながら移動したい
- ポケットから出しても二度見されない
まさに世の音楽好きなサラリーマンのためのようなポタアンじゃないかと思います。
そういえば先日いきなり32ビットハイレゾ音源発売!なんて流れてきましたがそんな時も安心。
ダウンロード購入さえしてしまえばそのままスマートフォンから再生していち早く試せる。
そんな環境としてもオススメ(特殊な例
余談
Windows 用のドライバで実はバッファ量やロックアップのタイミングを変更できます。
シビアな設定にすればするほどカチっとした音になります。ちょっとうるさいレベルまで行きます。
ただやりすぎると音飛びとかエラーが出るので元の設定の状態はメモっておいて、弄りましょう。
Linux の方は ALSA なり jack2d なり mpd なりいじる設定はたくさんあるので各自環境に応じて。
自分は概ね mpd の設定で調整しています。
USBコントローラはXMOSのようで実装自体はOPPODigitalで組んでいるようです。
ハードウェアのコントロールも良いようで内部回路を切り替えた時、特にゲインを切り替えた時に聴感上で感じる減衰や強調をうまくコントロールしていてるようです。
が、実はハイゲイン側のほうが音に立体感があるように感じます。
イヤホンだと高感度すぎてボリュームをコントロールできないこともありますが、ハイインピーダンスのイヤホンをお持ちの方は試してみてください。
バスブーストは好みがある機能ですが、巷で言われるバスブーストのイメージとは違いました。
低音を強調した関係で潰される音というのが極力少なくなっているようです。
低域が強くなるのは間違いないので、曲や使うヘッドホンイヤホンによっては密集度が上がってしまい前に出過ぎる感じがするものもあります。
JAZZあたりだとわかりやすいのですが、ベースやバスドラムとその余韻がブーストされている感じです。ポップな曲がポップ弾み、沈むような曲は広く染み渡るように沈みます。
こういう小構成の楽曲では低域を盛ったという表現は非常に遠いですね。
案外ヘビーメタルでは悪くない感じなのでむしろどんな曲が似合わないのか探しにくいですが。。。
日頃幾つかの機器でもバスブーストを敬遠されてきた方は聴き込んでみると面白いと思います。
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