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NobleAudioの完全ワイヤレスイヤホンFALCONはフラッグシップを音を持って産まれた?

「NobleAudioがワイヤレスイヤホンを発売する。」 これだけでイヤホンファン、オーオタ諸氏はドキっとしたことでしょう。 超高性能イヤホンメーカーが自社ハイエンドモデルの帯域バランスを元にワイヤレスイヤホンを本気で作ったようです。 このFALCON。結論を言うと過去所有していたワイヤレスイヤホン、ワイヤレスレシーバーを超える最高の出来、どちらが良いという感想にならないほどに 「NobleAudioが作ったNobleAudioのサウンドシグネチャを持ったワイヤレスイヤホン」 でした。 正直、同社初めてのワイヤレス、しかも完全ワイヤレス(英語圏だとTruelyWirelessと言ったりするらしい)こんなにNobleAudioの音になるとは思っていませんでした。 一言で言えば同社のフラッグシップモデル、KHANに非常によく似たバランスに元気さ・明るさを足したような音です。

【音楽】TTPOD T1 という怪しげなイヤホンを聴いてきた



TTPOD という中国のメーカーから T1 というイヤホンが発売されていたのですが、日本でも Wisetech が販売を始め、いくつかの販売店でも取り扱うようになりました。

このイヤホン、複数の意味で見た目のインパクトが非常に高いためそちらが先に話題になったようです。

ぐりむ自身もそういう意味で記憶していたこともあり、正直良い感情はありませんでした。

が、
これはどうも音が良いのではないか?
という話を聞きつけたので試聴してきました。
注意:このエントリを書いている時点では国内の発売 3 日程度なので各販売店でもそこまで鳴らしこんでいないため、もしかしたらしばらくすると評価が変わっているかもしれません。


スペックとか付属品とか

ドライバ 6.2 mm x2
周波数範囲 8 Hz - 26000 Hz
感度 104 dB
インピーダンス 12 Ω
ケーブル長 1.3 m
6N(99.9999%OFC)ケーブル
重量 19 g
※9セットのイヤーピースが付属

ドライバは小さめなダイナミックドライバ 6.2 mm のデュアルです。
構造を見る限りでは低・高で振り分けたりしていないようです。

ドライバのサイズが小さいので低に振り分けられるのか、バラバラにならして音圧的にどうなのか微妙ですし、まあそうだよねという感じではあります。

音量は若干取れにくい感じがあります。

イヤピースはよくあるシリコンタイプで、ウレタンスポンジタイプは付属されていません。

シリコンタイプは 3 タイプあって、半透明のほうは内部で螺旋状に壁が作られていて外側への反発が若干強い感じがします。

イヤピースは口径がそれぞれ違っていて
  • 細い口径は低音が抑えられて高音寄りに
  • 太い口径は低音の量感が増える
という具合に音の傾向が変わります。

質感とか見た目とか

見た目が確かにアレです。

だいたいどれのレビューを見てもアレと書かれるのでぶっちゃけてしまうと、SENNHEISER IE800 に形状が似ています。

この形状は偶然同じ形になることは無いと、狙っているよね?と。

が、これが実に勿体無い。

ぐりむとしてはそれだけ音の方の評価が高いので、この形状のやっちまった感は非常に勿体無いと感じます。

形状的には上下で出っ張りの大きさが違うので、特徴でもある音の分離のさせ方や中域の鳴り方などを考えると、ただ形状を真似ただけではなさそうな感じもします。

この形状、この構造だからこそ、この音が出るということでもあるので複雑なところではあります。
ちなみに大きさは IE800 の 2倍 くらいあります。
結構大きいです。

聴いた感じ

全体的に

  • 高音寄りのフラットで低音は出ているがブーミーさはない
  • 密閉型イヤホンにしては音場も広く立体的
  • 前方に開けていて全体的に一歩離れている
  • 密度的には塊感はなく分離が良い
  • 全体的に粒度が粗い
6.2 mm という小さめなドライバのデュアルなので、響くような低音はありませんが構造的にカバーしているのか、そこまで低音の不足感はありません。

膨らむブーミーな低音は無く、量感はそんなに多くないですが締まりすぎていることもないです。

全体的には高音に振っていて、抜けも良いのでそんなに窮屈な感じはしないです。

濃い音ではありませんが薄っぺらいということもなくて、この辺はデュアルドライバの恩恵がありそうです。
同じサイズのドライバが並んでいるだけで特にネットワークとかもなさそうなので、フルレンジを並列で鳴らしているようです。

分離感は良いですが繊細ではなく分離の粒度が粗いです。

厚みや籠もりに聴こえるような帯域を結構落として意図的に分離感を作っているような感じがします。
結果、派手めの曲は楽しく聴けるので良いのですが、アコースティックなギターとヴォーカルだけのような曲では色気が足りなく聴こえます。

それでも価格的に見れば十分な合格ラインでしょう。

ちなみに通常の常識的な音量で聞いているとそんなに違和感は感じないのですが、音量を上げると中音〜高音で暴れます。

イヤーピースはコンプライの TS500 が使えていますがメーカーも代理店も対応とはしていないので 自己責任 で。
音の傾向が全体的に中央に寄る、低域の量感が増える、と行ったところでしょうか。

高音

  • 頭打ち感は無い
  • 結構硬い高音が出る
  • 良く鳴るが繊細ではなく粒が粗い
ドライバのサイズからも想像する通り固めな高音を鳴らします。

頭打ちしたような潰れて歪んだ音は無く、抜けて良く出ています。

シンバルのような金属音が非常に心地よく聴こえるのですが、繊細さはなく粒の粗い感じがあります。

圧縮音楽やそもそも録音が良くない場合、この辺りの音が歪んで聴こえるので今まで気にならなかった何かが気になり出すかもしれません。
イヤピースの選択次第でこの辺りの音が変わるので個人的には落とし所に悩んだ部分でした。

中音

  • 量感は普通で一部持ち上げられた音を感じる
  • 高音、低音の繋ぎ部分で音を落としている谷間があってそれが分離感に貢献していそう
  • 不快な籠もりはないが色気や温かみも無い
  • 刺さる曲がある(主に女性ボーカルで多い)
痛いほどの刺さりや歪みでは無いですが、曲によって刺さる音があります。

特にハイトーンな女性ボーカルの曲で、クリアな感じに作られた曲はその傾向にありそうです。
同じ様にハイトーンなトランペットでアタックの強い曲でも刺さりを感じます。

落ち着いたピアノやアコースティックギターあたりではちょっと無機質に感じるかもしれませんが、同じピアノなのにラテンジャズのような曲ではクリアにノリがよく聴こえるので一長一短というか好みの問題が出てきそうです。

エレクトロな曲は塊り感がなくて明るい音で鳴りますが、メタルなど重く暗く鳴らしたい曲では軽く感じます。

上下のつながり部分を落として意図的に分離感を作っている感じがしますがこれはこれでスッキリとするので普段聴く曲次第ではハマるところはありそうです。
これが原因で無機質に聴こえる曲もありそうなので微妙なところではあります。

敢えてサシスセソが刺さるような辺りを強めにして明瞭さっぽいところを強調しているような感じもしますが、結果としてそれが粗さだったり掠れた感じにも聴こえるので主に聴く曲次第では評価が分かれそうです。

低音

  • ブーミーさはない
  • ドンという感じではないが締りすぎるという程でもない
  • 重く後を引くような低音ではない
  • イヤピース次第で量感が変わる
本体やドライバの大きさとしては良く低音を出しています。
ブーピーに膨らむ感じは無いですが、締まった低音というほどタイトな感じもしません。

イヤピースの選択次第で全体の性格を変えてしまうくらいこの辺りの音に敏感です。
選択が合っていればそれなりに沈む低音も響く低音も鳴らしています。

付属のイヤピースより低音が欲しい場合はコンプライの TS500 で量感は得られると思いますが分離感が著しく低下します。
ギターの響きなんかも良くなるのとちょっと強い高音が抑えられるので個人的に好きな方向性ではあります。

しかも公式に保証していないので途中で取れるなどの事故も予想されます。使う場合は自己責任で。

装着感

  • ハウジングが大きく耳に当たって痛くなる角度がある
  • ノズルが短く奥まで入れようとするとケーブルが顔に当たる
  • 大きさの割には軽い
  • タッチノイズは多め
  • ケーブルが太いので風切り音は感じない
ハウジングが大きく耳に接触する角度があるので気づくと痛いことがあります。

大きさのわりには軽いので多少装着感は悪いが極端に辛いことも今のところは無いです。

ノズルが短く、本体が大きいということもあり耳の奥までイヤピースが装着出来ず、なんとも中途半端な装着感です。
奥まで押しこむのが苦手な人には違和感はなさそうですが個人的にはもう少し深く出来たほうが装着感が良くて好きです。

一応SHURE掛けもできるようです。元々ストレートなケーブルなのでケーブルの取り回しが鬱陶しいのでやめました。


と、こんな感想だったのですが、結局普段使うには良さそう!なんていう勢いで買っていましたよ、という。

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